【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】
第11章 【HUNTER×2】義眼の花嫁【R18G】
手のひらにミルキから貰ったピアスをイルミに見せた。
「……仁美、俺からも渡したいモノがある。」
これは珍しい誘いだ。
イルミから何か貰った事なんてあっただろうか。
基本表情の少ないイルミの心情を、会話だけでその目的を推理する事は出来ない。
知っているだろうか。
こうして普通に誘われて一緒に向かうイルミの部屋でさえ。
その中で起きる事は命懸けなのだ。
いつイルミが何をするか分からない緊張感が、彼の側に居るといつも付き纏う。
ちゃんと顔は笑顔を保てている。
大丈夫。
この前好きなだけ目を抉り取られた患部を彼に【手当て】して貰ったのだから。
…………あれより酷い事はしばらく無いだろう…。
イルミの部屋に来ると、私をソファに座らせた。
普通使用人が主人のソファに座る事なんて絶対無いが、私の絶対はイルミの命令の方が上だ。
私の前にイルミが持って来たのは、綺麗な蒼い箱に、沢山の宝石が散りばめられている宝箱の様な箱だった。
それをイルミが開けると、中に入っているモノに私は目を見開いた。
ー義眼だった。
困惑したのは、その目の色だった。
私の目は赤い。
その箱の中に入っていた目は黒かった。
困惑している私の顔に手を伸ばして、イルミは眼帯を外した。
黒く空洞になっている顔の一部に、イルミが【選んだ】私の目が入った。
「ああ、やっぱり黒い目が綺麗だね。」
黒と赤い目のオッドアイになった私の顔を見て、イルミはそう言った。
ああなんだ。
何度も何度も【ナニカ】の対価を私に払わせたのは、いつかこうしたかったからなのか。
あの時機嫌が良かったのは、やっと思い通りになったからか。