【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】
第10章 【ハイキュー】【自作】クロい野良猫【R指定】
「…辞めろってさぁ、本気で言ってる?」
「…………。」
黒尾が何故そんな事に疑問に思うのか分からなかった。
(モテ過ぎて、頭イカれてるの?)
「………私…クロが苦手……。」
仁美がそう言うと、黒尾は一瞬顔を歪めた。
すぐに顔を俯かせて、黒尾の後頭部だけが目線に入る。
そうして、ジッと黒尾の出方を警戒していると、大きなため息が黒尾から聞こえてきた。
「…………悪かった…。」
そう言って体を起こして、黒尾は仁美に手を差し出した。
仁美は乱れた制服を整えた後、黒尾の手を掴まないでマットから降りた。
そのまま倉庫から出て行こうとする仁美に、黒尾は声を掛けた。
「仁美さぁ、何で俺が苦手だか考えた事ある?」
黒尾の言葉に仁美は振り返った。
目に入ってきた黒尾の表情は読まずに、真っ直ぐに仁美を見ている状況に、また胸がざわついた。