【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】
第10章 【ハイキュー】【自作】クロい野良猫【R指定】
思いの外、黒尾が大きな声を出したので、仁美もまた体がビクッとなった。
それでも黒尾のての中にあるバレーボールに目を向ける。
「……後輩達に最後のメッセージ書いてんだ。」
仁美は覗き込む様に、黒尾が書いたメッセージを読んだ。
「……………。」
全部は読めなかったけど、黒尾らしい言い回しのメッセージに、苦笑いしたのを覚えている。
「……どうしたぁ?」
黒尾は手に持っていたボールをかごに投げ入れながら仁美に聞いた。
「……高校も一緒だから、挨拶くらいしとこうと思って…。」
綺麗な弧を描いて、かごの中に沈んでいったボールを見届けながら仁美は言った。
「?」
ふと、視線を黒尾に戻すと、黒尾はジッと仁美を見下ろしていた。
「……それだけ?」
「……え?…うん……。」
黒尾から顔を逸らしたのは、やはり仁美の方だった。