【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】
第10章 【ハイキュー】【自作】クロい野良猫【R指定】
いつの間にか、黒尾の手が仁美の手を握っていて、黒尾は花火を見上げていた。
少し汗ばんだ手を握り返す事が出来なくて、仁美は黒尾と同じ様に、空を見上げていた。
そうして、花火大会が終わるまで、黒尾と2人で打ち上げ花火をただ見ていた。
それが黒尾と仁美が、初めてキスをした日だった。
その後、特別何かあった訳じゃ無かった。
花火大会も終わって、普通に2人で帰宅した。
「…じゃあ…。」
「…うん…。」
駅で別れてそれっきり。
仁美は花火大会の後に、他の男と付き合った。
初めて出来た彼氏はそれなりに楽しくて、黒尾と目が合う事も少なくなっていた。
黒尾にも彼女が出来たと聞いた時。
2人は友達でも無い、ただのクラスメイトだった。
中学3年の卒業式間近になり、高校が別々と言う理由で、仁美は彼氏と別れた。
悲しかった記憶はあるが、泣くほどでは無かった。
むしろ、その後の卒業式の方が泣けた。