【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】
第10章 【ハイキュー】【自作】クロい野良猫【R指定】
どうしたものかと、スマホを握りしめながら、仁美はため息を吐いた。
ドンッ
その時に、大きな音が夜空に響いて、人混みが一斉にその方向へ顔を上げた。
そして始まった打ち上げ花火に歓声が上がった。
仁美もまた一瞬で目を奪われた花火に、思わず目を見開いてしばらく夜空を見上げていた。
花火に気を取られていると、フッと黒尾の顔が近付いた。
驚いて、少し体を離すと、黒尾の手が背中に回って、押さえられたままキスをされた。
周りは花火に夢中で、薄暗い道端で短いキスをしていた2人など、目に止まらなかっただろう。
「……甘…。」
すぐに黒尾の唇が離れて、黒尾は自分の唇をペロッと舐めると、少し照れた様に言った。
「………………。」
仁美にとっては初めてのキスで、相手が何故黒尾なのか、頭が回らなかった。
キスしたと理解した時の、心臓の鼓動が激しかったのを覚えている。