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【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】

第1章 【ヒロアカ 】【自作】裏切りの痕には※轟・爆豪【R18】


私は次の日には意気揚々と外泊届を職員室に持って行った。
やっと轟と2人きりで会える。
職員室の帰りにはとても幸せな気持ちだった。
ーあの光景を見るまでは。
A組はヒーロー基礎学の帰りだったと思う。
ふと目に入った轟を思わず見てしまった。

轟は同じクラスの女子に向かって、楽しそうに雑談していただけのはずだ。
なのに、たったそれだけで私の心はザワついた。
轟は元々クラスでは浮いていたと思う。
笑う事も、馴染む事もしていなかったのに、最近よくあんな風に笑ってクラスに馴染んでいるんだ。

どんどん私だけが知っている轟が居なくなる。
その不安は想像以上に私の心を蝕んだ。
いつかあの笑顔が当たり前になって、私に見せる表情も当たり前の様に誰かのものになるのかもしれない。
その不安は大きく私を黒い気持ちに包み込む。
私は咄嗟にスマホを出し、轟にLINEした。
『週末は他に予定がある。』

これを見た轟にがっかりして落ち込んで欲しい。
全く誰の為にもならない、捨て身の作戦だ。
このメッセージに既読が付き、返事が返って来たのは夜だった。
『分かった。』
今度はそのメッセージに泣けた。
先程よりは冷静になり、あんなメッセージを送ったのを後悔していた時だった。

寂しいのスタンプでも送れよ馬鹿野郎。
自分の情緒が分からなくなってくる。
だんだん私は、どうしたら轟と付き合えるかより、どうしたら轟と痛みなく別れるかに考えを変える様になる。
轟から別れを告げられては立ち直れない。
だったら、その傷を最小限に抑える様に、自分から切り出すしか無いと思う様になる。

誰か私を病みから救って下さい。
私は外出届を出した事を後悔しながら、金曜日は寮を出てマンションに向かった。
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