【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】
第7章 【ヒロアカ 】【自作】2人の秘密の関係※ホークス【R18】
その負の連鎖は、どんどん仁美への執着を高めるだけだった。
もう、どうする事も出来なくなった気持ちをぶつける相手も、仁美だけだった。
仁美が出て行った後の部屋に1人で過ごすのは辛かったので、ホークスはいつもの様に、仁美が出て行った後に、部屋を後にする。
事故処理の報告書を警察署に提出する為に、ホークスは管轄の警察署に来ていた。
普段なら事務所の人間に任せるのだが、この警察署には仁美の彼氏も居て、何となく自分で行こうと足を向けた。
狙い通りと言うか、1番会いたくなくて、会いたい人物がホークスの目の前に現れる。
人の良さそうな彼は、いつもニコニコ笑っていて、何事も疑う事なく、その笑顔をホークスに向ける。
その顔を見る度に、小さな胸の痛みで顔が歪む。
「ホークスさん、良かった会えて。」
ホークスが署内に居ることを聞いた彼は、どうやら自分を探していた様だ。
仕事でも顔を合わせ、仁美を通じても2人は顔見知りだった。
彼はホークスを見つけると、いつもの笑顔で向かってくる。
勿論ホークスはそんな彼を、同じ笑顔で迎える。
「良かった会えて。」
ホークスの目の前に立ち、彼は少し寂しそうに声に出した。
「実は僕、転勤が決まったんです。」
ホークスの胸がズキンと鳴った。
今度は関西の方の都市に転勤になったと言う。
なら、仁美とは離れ離れになるのか。
期待に顔がほこびるのでは無いかと、表情を保つのに必死だった。
「‥仁美は?」
やっと出せた言葉に、感情がこもらない様に、必死で隠した。
さっさと仁美を残してこの街からいなくなればいい。
黒い気持ちが、ホークスの胸を巣くった。