【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】
第6章 【ヒロアカ 】【自作】睡眠不足のわたし達※爆豪【R18】
そう言った爆豪の顔は、親を殺されたかの様な憎しみを持って私を睨んでいた。
私はそんな爆豪を、はっきりとした嫌悪感を浮かべながら睨み返した。
つくづく『あの男』に似ている。
傲慢な性格で、力で相手をねじ伏せようとする『あの男』の顔を久しぶりに思い出した。
私はハッと呆れた様な息を吐き、爆豪の手を振り払った。
その私の顔に気が付いた爆豪が、バツが悪そうに私を掴んでいた手をポケットの中にしまった。
ここ最近、自分より格下だと思っていた綠谷への焦りは、周りから見てもそれが爆豪の苛立ちになっている事は分かっていた。
だから余計に爆豪は、こんな醜態を隠したいのだろう。
バツが悪そうに、私から顔を背けている爆豪を見ながら、私は腕を組んでため息を吐いた。
「‥1週間位寝なくても大丈夫だろ‥。」
目線を逸らしたまま、爆豪はポツリと言った。
そんな訳あるかい。
私は爆豪の言葉に心の中で突っ込むと、また大きくため息を吐いた。
「‥体液の交換なら、キスとかでも大丈夫でしょ、それならいいよ。」
私の提案に爆豪は一瞬固まった様にこちらを見た。
意味が理解出来ると、みるみる顔色が変わった。
「そんな事出来るか!」
真っ赤な顔をして、爆豪は私を怒鳴りつけた。
その声に、私の顔は歪んだ。
「‥いちいち怒鳴らないでよ。」
私が心底嫌そうな顔で言うと、爆豪はぐっと抑える様に体を引いた。
妙な間が2人の間に出来た。
「別に初めてな訳でも無いでしょ?緊急自体なんだし妥協しようよ。」
私はこんなに寝れない辛さを味わうのはもうウンザリだった。
腕を組みながら、爆豪の顔から目線を外して爆豪の返事を待った。
「‥した事あるのかよ。」
ボソッと爆豪の声が聞こえて、その言葉に私は疑問を持ちながら顔を上げた。