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【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】

第4章 【ヒロアカ 】【自作】宝贝儿※荼毘【R18】


「‥笑ってたよ、荼毘の話を聞いて、懐かしそうに笑ってた。」
荼毘にどうしても伝えたかった事だ。
彼女が荼毘を愛していた事は分かってた。
荼毘の事を話していた時の、懐かしむ顔も、荼毘が自分に会いに来ない理由を知った時も、彼女は時々切ない顔をしながら、荼毘が1人じゃ無いと分かると、それに笑顔を向ける人だった。

敵わないなんて気持ちもすぐ無くなった。
ただ彼女ともっと荼毘の話をして、どんな風に荼毘を愛したのか、聞きたい事が沢山あった。
荼毘は私の話を聞いても、その腕を下さなかったので、その目が何を物語っているのかは分からなかった。

ただ、私に居なくならないで欲しいと言う荼毘の心が、彼女との別れから出る言葉なのだとしたら、貴方達の別れは決して悲しいモノでは無かったと、荼毘に伝えたかった。
彼女は昔も今も荼毘を思っている。
それを荼毘に伝えたくて、私は荼毘に彼女の代わりに、彼女の言葉で荼毘に伝える。

彼らがどうして別々の道を選んだのか分からない。
だけども、それでも思い合える気持ちが彼らにあるなら、私は何度でも彼らに彼女の言葉を伝えよう。
愛しい荼毘が、私を抱いてくれる腕を離さないなら、私もその腕を掴んで伝えたい言葉が沢山ある。
荼毘を愛おしそうに語ってくれた彼女の笑顔が、私が荼毘の側にある意味を作ってくれた。

私が死の淵で荼毘を思ったその叫びに、応えてくれた彼女を、荼毘の気持ちを、私はしっかりと胸に刻むんだ。

彼女の言葉を伝えたい相手は、他にも居た。
その相手はまた、私の目の前を歩いていて、やっぱりこの人に話しかけるのは勇気がいる。
「死柄木さん。」
いつもなら呼びにくい名前を呼ぶと、彼はゆっくりと私を振り返る。

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