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【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】

第4章 【ヒロアカ 】【自作】宝贝儿※荼毘【R18】


私は彼女の言葉を聞いて、目を見開いたまま涙が出た。
彼女の問いに答えると、彼女はとても切なそうに笑った。
そしてやっぱり、それ以上は何も聞かず、私と戻る事もしないで、その暗闇の中に姿を消していく。
私は涙を腕で拭って、帰路に立つ。
彼女の言葉を彼に伝えたかった。



死柄木がドクターのラボに行くと、そこにいるドクターを無視して、いつもの部屋に向かう。
ドアに手をかけて、また中に居る人の気配に死柄木はため息を吐いた。
ドアを開けると、ソコには荼毘が居た。
「‥よう。」
もう自分以外に来る者が居なくなった部屋に、自分以外の訪問者が居るのは何だか落ち着かなかった。

死柄木が黙って荼毘を見ていると、荼毘はそのベットに腰掛けてそこに居ない誰かを見る様にベットのシーツを触る。
「‥ここはまだあいつの匂いがするか?」
荼毘がそう聞くと、死柄木の目が片方だけ動いた。
「俺は鼻も焼けてるから、味覚も嗅覚もよく分からない、あいつの匂いは思い出だけで、もう現実ではよく分かんねえ。」

荼毘の言葉に、死柄木は目を細めた。
「‥まだ、する。」
死柄木がそう言うと、今度は荼毘が目を細めてそのベットを見つめる。
あんまり触るなと荼毘に言いたいが、同じ女を好きになって、思い出が風化される気持ちが分かるのか、その言葉は出さなかった。
「俺はこの部屋でのあいつとの思い出は無いから、ここに来る事なんて無いと思ってた。」

あちこち連れ回した。
なるべく死柄木から避けたいから。
「だけどあいつは、自分の場所を作りたくて、この部屋を選んだんだな。」
死柄木の元に帰らないと言った時に、その気持ちに荼毘も入っていた。
悩んでその結果が、この汚い部屋だったのなら、もっとここで2人の時間を作ることをすれば良かったと、今になって思った。
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