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【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】

第4章 【ヒロアカ 】【自作】宝贝儿※荼毘【R18】


私の握った拳を見て、彼女はゆっくり言った。
「私の死ぬ場所は荼毘の腕の中じゃ無かった、荼毘も最後にそうしなかった。」
それだけの事だったと、彼女は囁いた。
荼毘の腕の中で死ぬ事も、それでいいと思っていた瞬間もあった。
あの時荼毘がそうしなかったのは、死柄木を自分が手にかけなかった時の気持ちと同じだと言うなら、誰に責められる事じゃ無い。

何処か懐かしそうに瓦礫を見つめる彼女は、何か気が付いた様に私を見直して笑った。
「ああ、そうなんだ。」
私は訳が分からず彼女を不思議な顔でみた。
「会いに来るなら荼毘だと思ってたけど‥来ないのは貴女が居るからだったんだね。」
私は彼女の言葉に目を見開いた。

そんな訳が無かった。
私は彼女に向ける様な顔を荼毘にして貰った事が無い。
「私はあなたの様に荼毘に大切にされていない、今日だってあなたなら、荼毘は助けに来たでしょう?」
私の言葉に今度は彼女が不思議そうな顔をした。
「私は荼毘に乱戦で助けられた事無いよ、ホークスと一緒に焼かれそうになった事はあるけど。」

そう言えば、私も何度かホークスと一緒に焼かれそうになっているのは見た事があった。
「荼毘は私に会いたいなら、会いに来るよ‥来ないなら、来ない理由があるんだと思う。」
彼女はそう笑うと、あたかもその理由が私だとでも言いたそうだ。
私はもっと荼毘の事で聞きたかった事があるのに、何を言えばいいのか分からなくなった。

その内彼女は、ヒーローの気配を察して、この場から逃げる様に私に言ってきた。
私に背を向ける彼女に、まだ言いたい事はあるのに、言葉が出なかった。
しばらく歩いて、彼女は思い出した様に振り返った。
「ねぇ。ー」
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