【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】
第4章 【ヒロアカ 】【自作】宝贝儿※荼毘【R18】
「荼毘があいつの代わりに抱いてるなら、とっくに焼き殺されてるぞ。」
死柄木は無表情で私に言った。
その意味が分からなくて、私は一瞬固まった。
そりゃあ最初は殺されるかもしれない覚悟で荼毘を誘ったが、そんな真顔で返されると、喉が自分の唾を飲み込む音で鳴った。
「あいつは俺達が殺り損ねた女だ、代わりならとっくに殺って満足してるさ。」
え、殺されかけてたのあの人。
じゃあ代わりじゃ無いなら、荼毘は何故私を抱いているのだろう。
私は死柄木の言葉に考える仕草をした。
死柄木の興味はそこで私から失せた様だ。
そのまま私に背を向けて歩き出した。
少し彼らの関係に触れただけだった。
愛する人を殺すと言う判断が、何故出てくるのだろう。
結局分からない事に、余計頭を悩ませる。
歪み過ぎた彼らの関係を、私が理解するなんて到底出来ないと分かった。
私は荼毘が何で自分を受け入れてくれたのか知りたくなった。
せめてそれだけは、どんな理由があったとしても、荼毘の気持ちを受け入れてあげたかった。
そんな事、きっと荼毘は望んで無いだろうに。
私はその夜に、自分から荼毘の部屋に向かった。
荼毘は面倒くさそうにしていたので、今日は興が乗っていないのはあからさまだった。
それでも荼毘は私を中に入れてくれた。
そういう優しい所が好きだ。
「どうした?」
荼毘はそう言うと、また私の髪を触りながら聞いた。
私は徐に服を脱ぐと、私を見ていた荼毘の目が細くなる。
「今日は荼毘に好きって言って貰おうと思って。」
私が服を全部脱いでそう言うと、荼毘は一瞬目を見開いて、そして笑って言った。
「好きだぜ仁美。」
とても軽く荼毘は言った。