第3章 どこか雰囲気が大人っぽい子
テレビの日付けは11月18日を示している。お姉ちゃんも直近の未来を知っているようで今日はいつもと雰囲気が違う。私たちしか起こることは知らないから世界はいつも通り。
「ね〜お姉ちゃん、どうするの?」
「そうだね、銃の悪魔は止められそうにないからすぐ各課に指示して回ってくれる?」
「りょーかい、あと明日にでも北海道向かってもいい?」
「いいよ、車…は無理かもね」
「うん…まぁ、滑走路が無事なら飛行機ならどうにか出てると思う」
道路が通れる確率なんてほとんどない。けど、どうにか空港なら無事かもしれない。
「羽田空港でいい?お迎え」
「ん〜、国内線だからそうだね、明日の最終便で帰って来れると思うからお願い」
公安に着いたのは9時過ぎ。ドアをノックする音が部屋に響く
「失礼します、報告に来ました」
「お疲れ様、戸坂くん」
「どうも。書類は提出し終わりました、サメの悪魔と烏の悪魔を特異2課が駆除。」
いつも通り報告を聞いていると再びドアがノックされる。足音がスニーカーっぽくないので上層部だろう
「私が行ってくる」
ドアを開けると予想通り、険しい顔をしている上層部の1人
「マキマは」
「2課の報告聞いてます、私でいいでしょ」
なぜか上層部は私のことを嫌っている。いわゆる嫌がらせで重要な時に関わらせてもらえない、というめんどくさいことをしてくる。能力を使う、手段もあるのだが、使わず、嫌がらせを失敗した時の顔を見るのが楽しい。
「…アメリカで銃を使った暴動が起きた」
「銃ですか、分かりました」
そう言って相手の反応を見ずにさっさと部屋にもどる。
「どうしたの?」
「アメリカで銃が使われた暴動が起きた、ニュースで大々的に流されるかも」
「分かった、ならそろそろだね」
2人しかいない部屋でそんな話をする。
現在 9時45分