第19章 うちはイタチ part2
「任務の内容は逃亡者の追跡だ」
そう言いながら、微かに残る痕跡を頼りに追跡を行う。
枯れ木の折れ方や、石の裏の苔の湿り気具合、花びらの散り方など...本当に勉強になる。
シスイの助言を元に逃亡者を追う。
もっと追跡スキルを身につけないと、と感じさせられた
「イタチ...お前は優秀だからな。だから優秀者ない奴の気持ち考えた事無いだろう?」
「!」
「逃亡者の心理も重要だ。追跡スキルが無くたって、場合によっちゃ先回りをする事も出来る」
「そうか!」
「そう言う事だ」
日が沈む。夜空に満天の星空がオレ達を見下ろした。シスイの提案で野営し川魚を焼き上げる
「暖かくて美味しい」
「だろ?」
シスイのドヤ顔が可笑しくて笑ってしまう
暖かいな...
「イタチ...家に居たく無かったんだろ?」
「え?」
「お前は自分を騙すのが上手いからな。だから自分の本心に気づけないのさ」
「!」
自分の本心...
写輪眼を開眼し、たくさんの仲間を失った。
もっとオレが強ければ...と自分を責めてしまう。
写輪眼は一族にとって誇り高き力
しかしその代償が仲間の死
写輪眼を開眼を素直に喜べない。
使うたびに後ろめたさを感じてしまう。
死を嘆き...忍びの平和を自問自答する毎日
「そうかもしれない...」
失意...
その反面...写輪眼の開眼に喜びを表している父さんの姿を見ると、オレの中で静かに憎悪を掻き立てた...
シスイは最初からオレの気持ちに気づいていたんだ...
今まで自分の悩みはヨルさんに話していた...
しかし...
あの人はもう居ない...
膨れ上がりそうな憎悪をシスイは汲み取ってくれたんだな...