第16章 木ノ葉崩し
※流血描写あり
「最強......か...」
ヨルはポツリと呟く......
「最強なんて...なりたくなかった...」
ヨルは少し俯き何かに思いふける
「...」
「最強が良いものか...違う。
最強が故に......守れなかった...
大切な思い出も、家族も......
最強が故にいつも命を狙われる......
そして最後いつも...
独りぼっちだ......」
ポツリと吐露する気持ち...
「けっ!俺は守るべきものや、家族なんて居ねえんだ!だだよ!最強と言う肩書きが欲しいだけだ!」
「そうか......
私も死ね訳には行かない...」
ヨルは邪眼を宿し、右手には三叉槍を持ち構える
「やっとやる気になったか...
行くぜ...六棟ヨル...」
バクタも殺気を纏い両手にはクナイを握っている
「......」
「......」
両者見つめ合う...
シュンッ!
(速いッ!)
バクタのクナイがヨルの顔数ミリ前まで来ている。
カキンッ!
クナイと三叉槍が激しく打つかり合い両者離れる
「エキシビジョンマッチでの俺は余興だ。それだと思ったら死んじまうぞ」
バクタはニヤリと笑う。クナイに着いた血をペロリと舐める
「甘いな...最強さん」
ヨルは俯いている。だが
ポタリッ...
足元に一滴の血が地面を赤く染める...
ヨルは顔を上げ、バクタを見る。
頬にはクナイでつけられた一筋の切り傷が浮かび上がり、そこから血が出ていた
「確かにそうだな。油断した...」
「油断?邪眼してる癖に俺の動き見切れんのか?」
「いや......見ていたのは、向こうの方で穢土転生が行われているからだ...」
「!......大蛇丸のか?」
「気になったがな...まぁ...このままじゃ私もやられそうだ......
今はお前に集中しよう」
ヨルは頬の切り傷を手の甲で拭う。すると傷口がまるで初めから無かった様に消えていた。