第14章 ※束の間ひととき
カカシside
「ただいま...ヨル」
部屋に灯りがついている。
そして愛しい気配...
ヨルが居る。それだけで口布の下は緩んでしまう
以前より一緒にいる時間が増えたからオレは幸せで仕方ない。
「ただいま。ヨル」
「おかえり...カカシ」
少しだけ口角が上がっている表情がヨルらしい。
ヨルがいる.....
『とっとと、手放したらいいのでは?』
カブトの言葉が脳内を過ぎる。
手放したりしない。絶対.....
両手が伸びヨルの存在を確かめる様にそっと抱きしめる
「.....今日は甘えただな.....」
「.....ヨルが家に居てくるだけ幸せだと思ってね.....オレかなり重症だよ」
「副担当上忍になってから、一緒にいる時間が多くなったからな.....」
「嗚呼.....そうだね」
腕の中にいる愛しい人を暫く感じた。
「ヨル.....」
「なに.....?」
「本戦までの一ヶ月間、オレはサスケの修行にあたるね。暫く会えないな...」
「私はナルトに...と言いたいが、すまない.....何本か別任務に当てられた.....」
「そうだろうと思って、ナルトにはエビス先生が着くよ.....アイツ、1番基本出来てないからね」
「そうか.....時折ナルトの様子は見にいくよ」
じゃないと、ナルト拗ねそうだし。ヨルは微笑しながら言う
「.....オレは?」
「ん?」
「オレに.....会いにきてくれないの.....?」
「ちゃんと行く.....そんなに寂しい?」
寂しいに決まってる.....あんだけ一緒に居たのに.....
暫く会えないなんて.....
そう思い更に強く抱きしめる
「カカシ.....お腹空かないか?」
「.....うーん.....」
「取り敢えず夕ご飯.....食べよう」
何がいい?ヨルはそう言い、少し身体を離しキッチンへ向かおうとする。
だがオレは離すまいと更にヨルを引き寄せた
「カカシ.....?」
どうしたの?と少し驚いた様子が更に愛おしい
「腹減ってるよ...」
「なら....」
「んー。ヨルを食べたい...」
「な!///」
柄にもなく発言してしまった自身の言葉にオレも微笑む
髪の一本残さず、味わいたい...