• テキストサイズ

僕だけを見つめて【スラムダンク】

第5章 陵南戦


そして、ついに赤木と流川が交代となった。

彩「ナイスファイトー!流川!」

コートから戻ってきた流川は、肩で荒く息をしながら汗をぬぐう。

流「はぁ…はぁ…」

その様子を、はまるで彼の努力を見透かすような眼差しで見つめた。

「本気でやったんでしょうね?」

短い言葉に、流川はわずかに眉を動かして応える。

流「はぁ…はぁ…あたりめーだろ」

荒い呼吸の合間に返したその声に、どこか誇らしげな響きが宿っていた。

は思わず小さくフフと笑う。
たったそれだけで、ほんの少し場の空気が柔らかくなる。

その後、彼女は疲労の色を隠さない流川の前で、ふわりと柔らかく笑みを浮かべた。

「うん、お疲れ」

その瞬間――。

流「っ…」

まるで心臓を軽く突かれたように、流川は一瞬言葉を失った。
彼女に向けての“初めての労い”が、自分でも思っていた以上に胸に響いたのだ。

そこは安西先生の言葉がポツリと落ちる。

安「流川くん」

流、彩、「「「??」」」

安「休憩は1分だけですよ」

その言葉に、流川もも、同時に「あっ…」と漏らす。

安「ラスト2分が勝負です。行けますか?」

流「はい」

たった一言だが、力強い返事だった。
呼吸を整えるより、戦いに戻る方がずっと似合う男だ。
/ 191ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp