第7章 インターハイ予選までの1週間
「聞いてたよ。"お父さんの子供"で、"お父さんから教わってた人"なら誰でもいいってことでしょ」
流「だからそれがお前しか…」
「私に兄弟がいたりしたら、その片割れでも良かったってことでしょ。"私"じゃなくてもいいってことでしょ」
流「…」
流川は驚いて何も言えなかった。
「ごめん、流川。やっぱりインターハイ終わるまでは1on1やめよう」
は立ち上がり、体育館を去ろうとした。
しかし流川がその手を掴んだ。
流「気を悪くしたなら…」
「ごめん、離して」
流「離さない」
「もう限界なの!」
流「…」
「予選が近づいてくるプレッシャーと、時間の無さと、三井さんとの1on1と、流川の1on1と…もう体力的にも精神的にも結構来てるの…」
流「…」
「選手として出る流川の方がもちろん大変だと思う。それなのにマネージャーの私がこんなんでごめん。でもちょっと…キツイよ…」
は最後に一言ごめんと言うと流川の手を振り払い、体育館を出て行った。
流川はが出ていった方をただ見つめていたのだった。
「ぐすっ」
は1人屋上に向かって歩いていると、人にぶつかった。
ドンッ
三「いてっ…」
「すみません…ぐすっ…」
三「!?」
は俯いていたためぶつかった相手が誰か気づかなかった。
三「お、おい!」
の耳に三井の呼びかけは届いておらず、そのまま行ってしまった。
三(なんだ?あいつ今泣いてなかったか?一体何があったんだ…)