第7章 インターハイ予選までの1週間
ー3日後の昼休みー
体育館にはキュッキュッと2人がバスケをする音が響いていた。
シュポッ
ゴールが決まった。
流「はぁ…はぁ…俺の勝ちだ」
「はぁ…はぁ…ちょっと休憩」
はその場に大の字に寝転んだ。
流「…もうバテたのか」
流川はの隣に座った。
「うん、ちょっとね」
流「早いな」
は昼間は流川と、部活後は三井と1on1をしているのとインターハイ予選直前で肉体的にも精神的にも疲労が溜まってきていた。
「…ねぇ、流川」
流「なんだ」
「この昼の1on1インターハイ終わるまで一旦やめ…」
流「いやだ」
「なんでよ。私となんかやらなくても技術も体力も流川にはあるでしょ」
流「いやだ」
「だからなんでよ。なんでそんなに私とやりたいのよ」
は起き上がって流川の方を見た。
流「そんなに嫌か?俺との1on1」
「違うそうじゃない。嫌なんかじゃ…」
(あれ…?最初はあんなに嫌だったのに…いつのまにか嫌じゃなくなってる…むしろ…むしろ私にとってこの時間は…)
が考え事をしていると、流川が口を開いた。
流「お前とのバスケが楽しいから。これだけじゃ不満か?」
「私より、もっと上手な人とやる方がきっと…」
流「俺は小さい頃から何にも興味がない子供だった」
「急に自分語り!?」
流「いいから黙って聞け」
「すみません…」
流「でもある日、テレビで過去のインターハイMVPプレイヤーの映像が流れてきた。俺はその人のプレーに目が釘付けになった」
「そのプレイヤーってもしかして…」
流「あぁ。お前の親父さんだ。俺のバスケ人生はその時から始まった」
「お父さんが、流川がバスケを始めるきっかけだったんだ…」
流「そうだ。そしてお前はその憧れの人の娘だ。しかもバスケを教わってたってまで言うじゃねぇか。だから他のやつとやるのは違う。お前との1on1だから…」
「じゃあ私じゃなくてもいいじゃん」
流「お前今の俺の話聞いて…」