第5章 陵南戦
赤「すまんな、仙道」
仙「いや」
赤木が田岡監督の元へ向かうと、仙道の視線は自然とへ向く。
花道の方をじっと見つめるその横顔は、どこか柔らかい。
「??」
仙道の視線に気づき、が振り返ると――
仙道は微笑んだ。
仙「大好きなんだね」
「!?」
顔を真っ赤にして一瞬固まったあと、
はプイッと顔をそむけ、そのままフンッ!と去っていった。
仙「フフフ」
仙(なんだかいじめたくなっちゃうなぁ)
(なんなのよ!みんなに、特に花道に誤解されるようなこと言って!怒ってるんだから!)
プリプリ怒りながら席についた。
試合が再開し、白熱する中――
ついに花道がコートに出される時が来た。
花(いかん…緊張してきた…)
安西先生と彩子の会話が耳に入ってこないほど、
花道の心臓はバクバクと暴れている。
花(俺が出て、点差が開いたなんてことになったりして…)
その不安を感じ取ったのか、
は迷いなく花道へ歩み寄り、声をかけた――。