第6章 リョータ・三井復帰
宮「ところが一個上に赤木のダンナという恐ろしい先輩はいるし、チームは弱いしな。何度やめてやろうと思ったか…。あれは西高との練習試合だった。点差がかなりあった。でもどんな負け試合だろうと彼女は必死に応援してた。そんな彼女の姿を見て俺は決めたんだ!バスケに命をかけるって。俺がチームを強くして試合に勝って、それで彼女が笑ってくれたら最高さ」
「うぅ…」
宮「はぁ…チッ、てめぇらなんかにつまんねぇ話を…笑いたきゃ、笑いやがれ」
花「分かる!」
「笑ったりなんかしない!」
宮「うん?」
花「分かるぜ、その気持ち…」
「私も大分かり…ぐすっ…」
宮城は驚いてブランコから落ちそうになった。
そして少し考えると口を開いた。
宮「確か水戸とか言う奴だったが…あいつが言ってた花道ってのは…」
宮城は花道を指差した。
花「くっ…!!あいつら他人事だと思ってベラベラと…ふぬ」
「洋平のこと知ってるのね」
宮「あぁ。お前は確か天羽だよな。お前の名前は言ってなかったと思うが…」
「ギクッ…わ、私の話はまた今度…あはは」
宮「お前、俺より上ってことは一体何人にフラれたんな?」
花「ギクッ」
宮「15人くらいか?」
花「もっ、もうちょびっと…」
宮「じゃあ20人?」
花「も、もう一声…」
宮「まさか30人…」
「そ、それ以上は…」
花「いや…ほんの50人ばかり…ハハハハハッ!中学3年間で」
宮「ごっ50人?」
花道は笑って誤魔化した。
宮「す、すげぇ…」
花「たったっ大したことないよ、ハッハッハッ…」
「褒めてないよ…」
花(今の俺にはいつもバッチリ応援してくれる晴子さんがいるけど…こいつは…振り向いてもくれない彩子さんのために…バスケに命をかけてなんとけなげな…可哀想なやつ…)
宮(50人からもフラれるなんて世の中広いもんだ…俺よりこんな超不幸な男がいるとはかわいそうになぁ…それにしても俺には彩ちゃんがいるから…)
(私とそっくり…振り向いてもくれない人を好きなんて…私は51回フラれてるけど…)
3人は互いの気持ちを分かち合い、仲良くなった。