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僕だけを見つめて【スラムダンク】

第4章 基礎練習


流「ん?何してんだお前」

突然の声に、は肩をビクッと跳ねさせた。

「!?ちょっと!大きな声出さないでよ!びっくりするでしょ!このバカ!」

小声で怒りを押し殺す。
流川は眉を寄せつつ公園へ目を向けた。

流「あれは…」

視線の先では、花道が汗だくになりながらシュートを放ち――だがほとんどリングに触れもしない。

「さっきから全然入らないの…晴子ちゃんに教わってるみたい」

その声には、安堵でもなく、嫉妬でもなく、どこか遠くを見るような複雑な色が混ざっていた。

そんなを横目で見た流川が、ふっと呟く。

流「いいのかよ」

「なにが?」

流「お前が教えなくていいのか」

「いいのいいの。今花道は幸せの絶頂だろうから。邪魔したくない」

流(本当にそうか?)

流川の目だけが、そんな言葉を飲み込んでいた。

流「ふーん…それよりなんでここいんの」

「な、なんだっていいでしょ!?別に」

流「まさかストーカー…」

ボガッ!

ゲンコツが流川の頭に落ちた。

「人聞き悪いこと言うな!」

流「痛い…」

そのやり取りはどこか慣れた空気すら漂う。

「と、図書館にでも行こうと思ってここを通ったら花道がいたのよ!」

流「これから学校なのに?」

「そ、そうよ!学校サボるつもりだったの!うるさいわね、全く…」

流「…」

流川がそれ以上下手な嘘の追及をすることはなかった。
そんな不器用さを残したまま、二人で公園を見つめ続けた。

すると――ついに花道の手から放たれたシュートが、ふわりと軌道を描き、

カシャンッ!

リングを通った。

晴子と花道の手がぱんっと重なり、そのまま嬉しそうに手を繋ぎ跳ね回る。

朝の光が二人を照らし、まるで漫画の一コマのように眩しかった。

その光景を見つめながら、と流川は黙ったまま立ちつくす。
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