第5章 陵南戦
3人は顔を見合わせた。
忠「まさか本当だったのか…?」
雄「いや…だぜ…?花道のこと好きってわかってるのにか??」
高「でも怒ってたよな??」
3人には疑問が残るのだった。
は俯いたまま教室へ戻った。
重い足取りで歩き、ロッカーから綺麗にラッピングされたプレゼントを取り出した。
「…こんなの要らないよね…」
それはが花道のために昨日コッソリ買ったバッシュだった。
そしてそれを持ったまま、は流川の席のすぐ後ろにあるゴミ箱へ向かった。
は震える手でそれを手放そうとした。
しかしなかなかその一歩が踏み出せなかった。
躊躇しているうちに涙がポロポロと出てきてしまった。
流「…あいつへのプレゼントか」
流川が話しかけてきた。
は俯いていたため気づかなかったが、各々委員会や部活に向かったため、流川と以外は教室にいなかった。
「うん…結構高かったんだけどな…好きな人と一緒に選んだ方履くに決まってるよね…ぐすっ…」
はプレゼントを強く握りしめた。
ギュッ…
すると流川はの頭を優しく自分の胸に引き寄せた。
「ぐすっ…なによ…」
流「バッシュか」
「ひっく…そうよ…」
流「俺の足でもサイズ合うかもな」
「は…?」
はようやく流川の方に顔を上げた。
すると流川はからプレゼントを取り上げ、ラッピングを外した。
「ちょっとなにして…」
流川は自分の足を真新しいバッシュに入れた。
流「ピッタリ」
流川はの方を見た。
は思ってもいなかった流川の行動に驚いた。
しかし、いつものようには怒らなかった。
むしろ、少し心が軽くなったような心地がした。
「ふふっ…あんたのために買ったんじゃないんだけど?」
流「捨てるなら貰う」
「うん…あげる」
は眉を下げて少し悲しそうに笑った。