第4章 基礎練習
翌朝。
まだ朝日が低い位置にある時間帯、街はほんのりとした淡い光に包まれていた。
その頃、はいつものように元気いっぱいの声で花道の家へ向かっていた。
「花道ー!おはよー!レイアップ練習…」
幼いころから家を行き来するのが当たり前だった二人。
玄関を開ければ、そこにはいつも通り花道の母が笑顔で立っていた。
花母「あらちゃん。おはよう。花道ならもうボール持って出かけたわよ」
「え!?花道が!?こんな朝早くに1人で!?」
花母「うん…」
「分かりました!ありがとうございます!」
軽くお辞儀をすると、は街中を走り始めた。
まだ登校前の静けさが残る道を、必死に花道の姿を追って駆け抜ける。
そして――すぐに見つけた。
近所の公園。
古びたゴールの下で、花道がシュートを繰り返している。
その横には――
「晴子ちゃん…」
晴れた朝空の下、二人だけの距離がやけに近く見える。
声をかけるべきか迷いながら、は結局、茂みの影に身を潜めた。
(……今は割り込むべきじゃない。あの顔の花道は、きっとすごく幸せなんだから)
そう思った矢先。
後ろから影が差した。