第5章 陵南戦
「うん、あ、そういえば一年生?私タメ口使っちゃってるけど」
彦「わ、わいは…」
仙「彼は一年生だよ」
仙道が割って入ってきた。
彦(仙道さん…いつも穏やかで人の話に割り込んでくるような人じゃあらへんのに…あ!も、もしかしてもしかして…要チェックや!!)
「あ…」
仙「どうだった?俺のプレーもカッコよかっただろ?」
「なっ…」
仙「ん?」
仙道はそうだろ?とでも言うように、にグイッと近づき、顔もより近づけるよう腰を曲げた。
花「お、おい仙道!お前距離が…」
花道は仙道をから離そうとしたが、それより先にが口を開いた。
「…こんなこと言いたくないけど…認めたくないけど…凄かったです…」
仙道はがすんなり認めてくれるとは思っていなかったので、鳩が豆鉄砲を食ったようにキョトンとしていた。
「でもカッコいいのは花道です!帰ろ!花道!」
花「お、おう!」
は花道の手を引いてスタスタ行ってしまった。
花道は振り返りあっかんべーとしていた。
仙「フッ、あの子の中では俺は負けてるのか…そうなると俄然勝利が欲しくなるな」
彦「あの湘北のマネージャーさん、えらいかわいい人ですなー。桜木さんの彼女さんとかなんかな?」
仙「いや、違う」
彦「ちゃいますのん!?あんなええ感じやったのに…」
仙「桜木の好きな子は別の子だ」
彦「かーっ、桜木さん罪な男や!!」
仙「そういえば彼女の名前はたしか…」
彦「えっと…天羽さんですね」
彦一はノートを見返した。
仙「天羽…」
仙(どっかで聞いたことあるような…はっ…!!まさか彼女は…)
仙道は記憶を手繰り寄せた。
彦「どうかしはりましたか?仙道さん」
仙「あぁ、いや、なんでもない。さぁ、俺たちも帰ろうか」
仙(次会ったら聞いて確かめてみよう)
仙道はそれを口実にまた会いたいと思うのだった。