第4章 基礎練習
水戸side
洋(……知ってるか、。あの流川とやり合ってるお前を見ながら、俺も全然穏やかじゃねぇってことを)
花道のフォローをするつもりが、
気づけばついの背中ばかり目で追ってしまう。
洋(……知るわけねぇよな。お前は花道と一緒で、“自分に気持ち向けてる奴”にはからっきし鈍いんだからさ)
溜め息まじりの苦笑が、胸の奥でじわりと広がった。
晴子side
晴(流川くん……誰か特定の人に手当てしてほしがるなんて……普段の流川くんならあり得ない……)
じんわり胸の奥がきゅっと締めつけられた。
晴(ちゃんが少し……ううん、けっこう……羨ましいな……)
その想いは、誰にも気付かれないまま静かに沈む。
花道side
花(晴子さんの手当て……♡それを断るなんて流川の野郎、とんだ不届き者だ!!)
だが次の瞬間、花道の頭を別の不安がよぎった。
花(ま……待てよ?もし断ってなかったら……晴子さんが流川に触れるってことじゃねぇか!?それはまずい……!断ってくれて逆に助かった……!)
そして――ひとつの疑問が胸に刺さる。
花(……でもなんでだ?なんで晴子さんを断ってまで、に手当てさせたんだ?ま、まさか……流川のヤロウ……のことを――)
花道の頭が破裂しそうなほど、嫉妬と混乱が渦巻いた。
花(ええい!そんなの許さんぞ!)