第5章 陵南戦
「よく頑張ったよ、花道…入学するときに買った靴がこんなボロボロになるまで…頑張った証拠だよ…悔しいのだって…頑張った証拠だよ…。花道…」
は涙を流し、花道の肩に手を乗せて言った。
花「…」
「カッコよかったよ。今まで見てきた中で、花道1番かっこよかったよ」
花「あ…」
ゴールを決め、油断して負けた。
花道はそれが悔しかった。
自分のことをカッコ悪いと思っていた。
それでもは今までで1番かっこよかったと言ってくれた。
花道は少し心が救われた気がした。
赤「…整列だ、桜木」
花道は体育館に頭突きすると、ようやく試合の結果を受け入れたのか、整列し、挨拶を終えた。
着替えを終えると、全員で陵南バスケ部に挨拶をしに行った。
赤木は田岡と魚住に挨拶をした。
仙道は流川のところへ来た。
仙「おう」
仙道は流川に向かって手を差し出した。
仙「お前んとこのマネージャー、なかなかいい子じゃないか。」
流川は睨みつけると無言でその手を叩いた。
仙「ふっ」
仙(やっぱり好きなんだな)
仙道は次に花道に声をかけた。
仙「桜木」
花「ぬっ?」
花道が声の方を振り返ると手を差し出している仙道がいた。
仙「俺を倒すつもりなら死ぬほど練習してこい」
花「仙道…」
2人は握手を交わした。
彦一は横でその様子を見ていた。
彦(わいも死ぬほど練習するで…ほんで…いつかは仙道さんのように…)
仙「試合の前の話、覚えてるか?」
花「なっ…お、覚えてねぇ!」
仙「そうか。俺は覚えてる」
花「だからなんだ…」
仙「まぁそういうことさ」
花「お前には絶対…」
するとちょうどそこへがやってきた。
「あ!いた!」
花道、仙道、彦一はの方を振り向いた。
みんな花道の方へ来ると思っていた。
しかしが近づいたのは彦一の方だった。
「さっき花道に投げられてたでしょ?大丈夫?怪我はない?」
彦「え、えぇ!?わ、わいでっか!?」
彦(こんなえらい可愛い人と話したことあらへんから、ドキドキしてまう…)
彦一は顔を赤くした。