第4章 基礎練習
花「おのれ、流川…」
流「お前はそいつにやってもらったらいい。俺はこいつにやってもらう」
「なんなのよ…」
流「早くしろ」
「はぁぁぁぁ!もう!それが手当してもらう奴の態度か!」
叫びつつも、は結局は流川の前にしゃがみ込み、
消毒液をバシャッと勢いよくかけた。
雑だが、それでも手つきは慣れている。
(晴子ちゃん…ごめんね…)
心の中でそっと頭を下げながら手当を続ける。
流「痛い…」
「フンッ。この消毒であんたのその汚い心も綺麗になるといいのにね!」
流「ムカッ」
流川の眉がピクリと動く。
険悪なのに、なぜか息の合った“言い合い”のようにも見えた。
観客席では、水戸たち4人がその様子をしっかり観察している。
高「なぁよぉ、と流川いい感じじゃねぇかぁ?」
雄「でもは花道一筋10年目だろ??」
忠「だけどそれを知ってか知らずか流川はと仲良さげ、と。」
洋「晴子ちゃんも内心穏やかではいられないだろうなぁ」
四人のヒソヒソ声が体育館の天井にふわりと漂う。
その視線の先で、と流川の距離は、
喧嘩しながらも確実に“縮まって”いた。