第4章 基礎練習
流「…」
流川は無言のまま、
「俺は?」とでも言いたげな鋭い視線をへ向けている。
「なによ。あんたは自分でやんなさいよ。花道のこと怪我させたんだから」
それでも流川は視線を逸らさない。
冷静な顔の裏に、どこか“要求”だけが真っ直ぐ乗っている。
「…はぁ…ごめん、晴子ちゃん流川の手当もお願いしていい?」
晴「え…う、うん…」
晴子は頬を赤らめ、少し戸惑いながらも頷いた。
が歩きだそうとした、その瞬間――
ガシッ、と手首を掴まれた。
「な、なによ…」
流「お前がやれ」
「は…?」
流「お前が俺の手当をやれ。お前、マネージャーだろ。部員でもない奴の手を煩わせるな」
晴(部員でもないやつ…)
その一言に、晴子の胸がふるりと揺れた。
まるで境界線を引かれたような感覚がして、指先が強張る。
花「おい!流川!なんだてめぇ!晴子さんにその態度は!」
流「うるせぇどあほう」
「あんた、晴子ちゃんになんてことを…」
流「他の奴に仕事を押し付けるな」
晴(他の奴…)
その“他の奴”という言葉は、晴子の心に静かに沈んでいく。