第5章 陵南戦
「天才なんだから、大丈夫。こんな短期間に、こんなスピードで上達する人なかなかいないよ。天才だからだね」
花「な、なんでい!き、緊張なんかしてないやい!」
「知ってるよ」
花「あっ…」
「天才桜木が緊張なんてしないこと知ってるよ。ただ応援の言葉を言いに来ただけ。頑張ってね、期待の新人、桜木花道」
花「お、おう!!!!」
花道は"期待の新人"と言う言葉に俄然やる気を出した。
仙(桜木のことを本当によく分かってるんだな)
流「チッ…」
すると次の瞬間、魚住の肘が赤木の目尻に当たり流血した。
彩「ああっ!!」
「!?」
晴「お兄ちゃん!」
皆驚いた。
赤「ううっ…」
「これは、まずい…」
(みんな頑張ってるとは言え、ゴリ先輩の代わりになる人はいない…)
は彩子より早く救急箱を持ち、すぐに尻餅をついていた赤木の元へ行った。
「上体起こせますか?」
赤「あぁ…」
はすぐに赤木を起き上がらせ、止血した。
田「大丈夫か、赤木くん。おい、誰か医務室へ案内しろ!」
赤「あっ、大丈夫です、田岡先生」
魚「おっ、おい赤木」
赤「気にするな魚住、すぐ戻るさ」
「すぐ医務室に…」
赤「大丈…」
「ダメです」
赤木の言葉を遮り、は言った。
流、仙「「…」」
「医務室に行かないとダメです」
赤「このくらいどうってこと…」
「大丈夫だとは思います。バスケのこと勉強する中で、起こりうる怪我を想像して、それの応急処置の仕方は全部学んできたので」
花、流、仙「「「なにっ?」」」」
彩、木「!?」
赤「…そうか。なら…」
「でももし、万が一何かあったら、最後の土壇場で、ゴリ先輩に何かあったらどうするんです?あとワンゴールで勝てるって時にゴリ先輩がいなかったら?ゴリ先輩の存在が、みんなを奮い立たせるんです。そしてその意味は大きい。大事なとき、絶対ゴリ先輩の存在が必要なんです。だから中盤の今、診てもらっておきましょう」
木「天羽…」
花、流、仙「「「…」」」
赤「…分かった。桜木、代わりはお前だ」