第4章 基礎練習
水「…もし…もしが流川のところに行ってたとしたら、お前はどう思うんだ?花道」
その一言は、花道の胸の奥深くへ鋭く刺さった。
花「あ…」
振り上げた拳がゆっくりと下がり、花道はまるで雷に打たれたように動きを止める。
花「流川…だと…?」
水「あぁ」
花「あいつは流川んとこ行ってんのか?」
水戸は、花道の顔色が変わったのを確認しながら静かに告げる。
水「行ってるも何も、2人は同じクラスだし、席まで隣だ」
花「冗談だろ…」
その震える声は、怒りとも不安ともつかない色を帯びていた。
水(屋上で言ってたのに…花道の耳にはの言葉は全く入ってねーのかよ…
…どこまであいつの存在を当たり前だと思ってるんだ)
腹の底からじわりと湧き上がる苛立ち。
水戸はひとつ息を吐いたあと、わざと軽く笑って口を開いた。
水「お前はと幼馴染なんだろ?それなのに何も分かってねーんだな」
花「なにっ!?」
花道の拳は再び握られ、水戸の胸ぐらを掴み上げた。
高「お、おい!」
雄「花道どうしたんだよ!」
忠「洋平も花道を怒らせるようなこと言うなよ!」
周囲の3人が慌てて立ち上がり、空気は一気に張り詰める。
だが、水戸はまるで動じず——静かに薄く笑った。
水「フッ、冗談だよ。まで流川の方に行ったって言ったら花道はどうなんのかなって思っただけだ。悪かったよ。冗談が過ぎた」
水戸の穏やかな声に、花道の握力がゆっくりと弱まっていく。
花「んん…」
掴んでいた胸ぐらを離し、花道はその場に立ち尽くした。
怒りというより——何かを考え込むように。
その横顔を見た水戸は、誰にも聞こえないほど小さくため息を落とした。