第5章 陵南戦
は走りに夢中になっていたため、人の気配に気が付かなかった。
?「すんごい速さだ。陸上部か何かかい?」
そのため急に話しかけられたは心臓が口から飛び出るほど驚いた。
「ぎゃーーー!!!な、なに!!!わ、私は食べても美味しくないですー!!」
?「食べるって…ハハ。すごい速さで走るね。こんな時間にトレーニングなんて、明日大会でもあるのか?」
ジャージ姿のツンツンした頭の男がに話しかけてきた。
(な、なんだこのツンツン頭…爽やかな人に見えるけど…知らない人に素性を明かしちゃいけない。危ない危ない)
「そ、そうです」
?「へぇー。こんな遅い時間にトレーニングしてるなんて感心だな」
「ど、どうも…」
?「でもこんな時間まで外にいたら危ない。早く家に帰るんだ。いいね?」
「は、はぁ…」
その男の人は、それじゃ、と言ってそのまま砂浜を走って去っていった。
「私のこと速いって言ったけど、あなたも相当よ…」
は腕時計を見ると夜の9:30を回っていた。
「あ!いけない!そろそろ帰らないとほんとに明日に響く!」
は家に帰った。
?(綺麗な走り方だった…バスケも出来たりするのか?彼女は。それにしてもあんな華奢な体のどこからあんな速さが生まれるんだ?不思議だ)
通りかかった男はこんなことを思っていた。