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僕だけを見つめて【スラムダンク】

第4章 基礎練習


「気持ち、すごく分かるんだけどさ…分かるんだけど…花道のことも見てあげてくれないかな?」

静かに、だけど必死な声。
晴子は目を瞬かせる。

晴「それってどういう…」

「あぁ!ただ花道のプレーも見てあげてほしいってだけだよ!!別に変な意味じゃないよ!?」

慌てて手をぶんぶん振り否定する。
しかし頭の中はパニックだ。

(花道の気持ちを安易にバラしてはいけないのにー!これでは花道が晴子ちゃんを好きと伝えてしまってるようなものじゃないか!勝手に花道の気持ちをバラすなど、そんな野暮な真似はしちゃいけない!!)

そんなの焦りをよそに、晴子が静かに問いかける。

晴「さんは、桜木くんのこと、好きなんじゃないんですか?」

「!?」

(なぜこの子はそんなとこ鋭い!?花道の気持ちには気づかないのに!?)

――そう、は忘れていた。
以前、花道が「大好きだ」と口にした時、晴子はすぐそばにいたのだ。

「や、やだなぁ!そ、そんなことないない!」

精一杯の強がりが口から飛び出す。
だが胸の奥は痛いほど締め付けられていた。

(くっ…花道への想いを否定することがこんなに苦しいとは…)

晴「そうなんですか…」

ボーッとした天然気質の晴子は、それで素直に納得する。
疑いもなく、まっすぐに。
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