第4章 基礎練習
試合前のざわつく体育館。
晴子に少しでもいいところを見せたい花道は、赤木の前で“俺を出せ!”と駄々をこねていた。
「次出れるように頑張ろうね!花道!」
花「おう…」
花道の肩をぽんと叩くと、彩子が腕を組んで試合表を見ながらぼそっと呟く。
彩「でも1年対上級生かぁ…」
晴「え?」
彩「てことは、赤木先輩 対 流川ってことね」
その一言に、は小さく眉を寄せる。
(よりによって、あの二人が正面からか…)
体育館の空気が一気に緊張を帯びた。
そこへ赤木の太い声が響き渡る。
赤「よーし!始めるぞ!天羽!」
「え?はい!」
赤「お前が審判をやれ」
突然の指名に目を丸くする。
だがその隣で、彩子が一歩前に出た。
彩「私がやりますよ先輩」
赤「しかし…」
彩「は桜木にどこを見ればいいのか教えてやって!」
ウィンク付きの“信頼のパス”。
その優しさに、は胸をつかまれたように目を潤ませる。
「彩子しゃん…うぅ…あい…」