第2章 新たな生活
ー入学後ー
生徒1「そろそろダイエットを…」
花「バスケット…?」
ゴチーン!
生徒2「いいのかよ、休み時間にビスケットなんか食って」
花「バスケット…?」
ゴチーン!
生徒3「昨日ビデオで"バグダッドの盗賊"って映画見てさ…」
花「バスケット…?」
ゴチーン!
中学で50人に振られた桜木花道は、最後に「バスケ部の小田くんが好き」と言われたショックから、
“バスケット”と名のつく響きすべてに過剰反応するようになっていた。
そのため、入学早々、似たような語を発しただけの生徒に片っ端から頭突きをかまし、
さらに“中学でも不良で有名”なイメージも相まって、
花道に近づこうとする者は、以外ほとんどいなかった。
だからこそ、このとき花道は本気で驚いた。
?「あの、すみません。バスケットはお好きですか?」
高「い、今はその言葉は…」
花「バスケット…?」
廊下を洋平たちと歩いていた花道の耳に、その禁断ワードが届く。
「また頭突きだ」と反射的に振り返った──その瞬間、花道の動きが止まった。