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僕だけを見つめて【スラムダンク】

第4章 基礎練習


赤木に「集まれ」と声がかかり、部員たちはぞろぞろと中央へ集まった。
そこへ安西先生が静かに歩み出て、柔らかい笑みを浮かべながら告げる。

安「1年生対上級生で試合をしてみよう」

一瞬、体育館の空気が弾けた。

花「なに!?試合!?よっしゃー!」

喜びが爆発した花道だが——。

赤「お前はまだダメだぞ」

花「え」

その一言で、花道の顔から光が消えた。
だが2・3年の人数が少ないため、1年生も必然的に試合に出ることになる。
ただし——花道はまだ“その枠”には入らない。

花「フン!ちっとも面白くねぇ!帰ろうかな」

すねるように背中を向けた花道へ、が真っ先に駆け寄る。

「えー!帰んないで!一緒に見ようよ!見て学べることだってたくさんあるし、きっと花道ならこの試合見れば今できないこともすーぐ出来るようになるよ!!花道なんでも出来ちゃうから!!」

その声に、花道の表情がみるみる戻っていく。

花「あは!そうがなぁ!子分にそこまで言われちゃあしょうがねーよなー!」

と、そこで——。

彩「あ、晴子ちゃん」

呼ばれた名前に反応し、花道が振り返った。

花「は…晴子さん!」

嬉しさが爆発した花道が一直線に晴子へ走っていく。
は一瞬、胸の奥がきゅっと縮むような顔をしたが——
すぐにその表情を切り替え、いつもの笑顔で花道の後を追った。

その“わずかな陰り”を、ある人物が見逃していなかった。
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