第4章 基礎練習
ピピーッ!
体育館に甲高いホイッスルが響き、練習試合が終了した。
赤「…彩子、今のはどう…」
彩「完璧よ!すごいじゃない!」
「本当ですか!?やったー!」
彩子に褒められた瞬間、の顔は喜びでぱぁっと明るくなる。
彩「赤木先輩から見てはどうだったんです?」
赤木は腕を組んだまま、わずかに視線をそらし、低く答えた。
赤「うむ…お前のことは認めてやろう…しかし桜木は戻ってこない限り、投げ出したと見る」
木「信じて待とう、赤木」
赤「ふん」
その会話を、体育館の端で見ていた晴子も思わず息をのむ。
晴「す、すごいわ…あの子…」
――そしてほんのしばらくして。
が胸を張って宣言した通り、花道は本当に戻ってきた。
ただし理由は、
“出て行く時の晴子の悲しそうな顔”
――それだけだった。
花「グ…グホン!」
扉の音とともに姿を見せた花道。
「あー!!花道!!!」
木「なに!?」
シオ「桜木花道が帰って来た!」
彩「よう!」
「よかった!戻ってくると思ってたよ!花道ー!」
は勢いよく駆け寄り、そのまま花道の背中をぐいっと押して部員の輪へ連れていく。