第4章 基礎練習
月曜日。
は家にビデオデッキがないため、誰にも気づかれないよう先生の目を盗み、視聴覚室でビデオを見ることにした。
朝——。
昼休み——。
放課後に至っては、花道と帰る時間すら削り、ただひたすら画面と向き合う。
「花道担当3日計画」。
その言葉通り、彼女は一歩も迷わず努力を積み重ねていた。
そして——
その姿を、密かに知っている者が二人いた。
***
洋(来ないな…あんなに花道花道だったのにどうしたんだ?)
金曜日。昼休みになってもが花道たちの教室に姿を見せず、水戸の胸に不安がよぎる。
洋「…」
ふいに立ち上がると、大楠が声をかけた。
雄「どうしたんだ?」
洋「あ、いや、ちょっと、便所」
高「なんだよ、だからさっき行くか?って聞いただろー」
洋「そんときはそうでもなかったんだよ。悪りぃな」
忠「花道のやつも遅ぇな」
高「腹でも壊したんじゃねーのか!?」
ギャハハと笑う三人。
しかしその予想は、図らずとも正解だった。