• テキストサイズ

僕だけを見つめて【スラムダンク】

第4章 基礎練習


「こっちもたくさんだわ…骨が折れる…ううん!花道と一緒にいるため!」

内容からして完全に“不良の存在が耳に入っていない”。

?「なんだ?こいつ」

困惑したように眉をひそめる不良に、はさらに質問を投げかける。

「あの、これ借りるんですか?」

?「は?」

「あなたもこれ借りるんですか?」

?「ふんっ。興味ねーよ。んなもん」

口では突っぱねてみせるが、その横顔はどこか影が落ちていた。

はそれを見逃さない。

「…本当ですか?」

?「なんだよ、文句でもあっか!?」

「…興味ないって言う顔、すごく悲しそうですよ」

図星を指されたのだろう。不良は一瞬言葉を詰まらせる。

?「なっ…そ、そんなこと…」

しかしはその反応すら気に留めず、淡々と告げる。

「ま、でもそう言うならこっちも好都合で良かったです!じゃあ私がこれ全部借りちゃいますね!」

そう言うや否や、棚に並んでいたビデオを全部抱え上げ、そのままスタスタと去っていった。

残された不良はぽつりと呟く。

?「なんなんだ…あいつ…」

ただの少女に振り回されたというのに、何故か否定しきれない複雑な顔で。
/ 191ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp