第10章 退場王
流「そんな退場王、ほっとけ」
流川はの目の前に来てそう言った。
「流川…」
花「ぬっ!流川!」
流「タオル」
流川は花道の言葉を無視して、に手を差し出した。
「あ、そ、そうだよね、ごめん、とってくるね」
はタオルを取りに行った。
花「おい流川」
流「…」
流川は無言で花道を睨みつけた。
三「はぁ…はぁ…疲れた…」
タオルを配っている彩子の元へ向かおうとした三井だったが、がタオルを取りに行ったのを確認すると、三井もの方へと行った。
すると流川と花道が一触即発な雰囲気であった。
三「流川、お前もから…ん?どうしたんだ?」
三(確かにこいつらはいつも仲悪りぃけど、こんな雰囲気はあんま見たことねぇぞ…?)
流「はぁ…なんでもないっすよ」
花「なんでもなくねぇ。忘れたのか、お前にはやらんて言ったろ」
三(なるほど、のことでか)
流「お前こそ忘れたのか。もともとお前のものじゃない」
花「くっそ…てめぇ…」
三「それは流川に同感だな」
花「なっ、ミッチーまで…」
するとが戻って来た。
「あ、三井さんもいたんですね。遅くなってすみません、どこに置いたか分かんなくなっちゃって……??どうしたの?なんか、空気重くない?喧嘩でもしちゃった?」
花、流「「別に」」
2人はからタオルを受け取るとその場を離れた。
「三井さんもどうぞ」
三「サンキュ」
「あの2人どうしちゃったんです?」
三「…さぁな。あいつらが喧嘩してるのなんていつものことだろ」
「そうなんですけど、さっきの感じ、なんかいつもと違った気がして…まぁ気のせいならいっか!」
三(お前のことで桜木が嫉妬して喧嘩になってるって知ったら、お前は喜ぶんだろうが、桜木のことだ。だからってなんのムーブもしねぇ。そしたらぬか喜びだったってなって落ち込むのがオチだろう。が傷つくのも泣くのも、俺はもう見たくねぇ)
三井は2人の喧嘩について何も口にしないと決めたのであった。