第10章 退場王
花道はその日学校に残り、自分の試合を思い返していた。
花(退場ばっかしてたら、いつまでたっても流川には勝てねえ…なのにゴリの野郎…"リバウンドリバウンド"って馬鹿のひとつ覚えみてぇに。リバウンド取ったって得点にはならねぇ。流川にも勝てねぇじゃねぇか)
花「クソーッ!リバウンドが何でぇ!」
花道はヤケクソになり床に思い切りボールをぶつけた。
するとそのボールは花道の頭に落ちてきた。
ぼがっ!
花「あぁ…」
「花道」
花「ん?か」
ボールを拾ったのはであった。
そう、は気づいていた。
試合のこと、練習のことを気にして、花道が体育館に残ることを。
そのためは三井との練習を休みにしたのだ。
木暮もの思いに気づき、三井を連れて行った。
ウィンクの意味は桜木と2人にさせるという意味だった。
「ゴリ先輩がよく言ってるリバウンドって、一見地味に見えるけど、すごく大切なことなの。それに誰にでもできるってわけじゃないよ」
花「でもいくらリバウンドとったって得点にもならねぇし、ちっともかっこよくねぇし…」
「そんなことない」
花「えっ?」
「そんなことないよ。バスケットの本場、アメリカのNBAでも得点だけじゃなくて、シーズンを通して1試合平均何個のリバウンドを取ったかって記録もすごく評価されてるの」
花「ほう」
「だから、リバウンドを得意としている選手、リバウンダーもスーパープレイヤーとしてすごく人気があるの。だって、リバウンドを制するものは…」
花「ゲームを制す!」
「そう!それに…」
花「ん?」
「それに、花道が一生懸命バスケしてる姿は何よりもかっこいいよ。例えそれが得点につながってなかったとしても」
花「…」
「私の中で、花道はずっと1番だよ。小さい頃からずーっと、1番かっこいい」
花「…」