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僕だけを見つめて【スラムダンク】

第6章 リョータ・三井復帰


三「なんでなんの関係もないお前が俺に楽になって欲しいなんて思うんだ?」

真正面から投げかけられた問いだった。
からかいでも、怒りでもない。
答えを本気で求める目。

「え?理由なんてないですよ」

即答だった。
迷いも計算もない声音。

三井は思わず瞬きをする。

「目の前につらそうな人がいたから、楽にしてあげたいって思った。それだけですよ」

まるで当たり前のことを言うように。
“それ以外に何があるの?”とでも言いたげな顔で、は三井を見つめていた。

その視線を受け止めた瞬間――
三井の胸の奥で、何かが静かに崩れた。

三(桜木…お前にこの子はもったいないんじゃないか…?)

そんな考えが、ふいに浮かぶ。
嫉妬とも違う。
ただ、目の前の少女があまりにも真っ直ぐで、眩しかった。

少しの沈黙のあと、が空気を切り替えるように立ち上がる。

「さぁ、そろそろ練習再開しますか。あと1回やったら今日は終わりにしましょう」

その声は、いつも通り軽やかだった。

三「あ、あぁ…」

三井は少し遅れて立ち上がる。
視線は、無意識のうちにの背中を追っていた。

レンタルビデオ屋で見かけた時から、
どこか引っかかる存在ではあった。

だが――
この日を境に、それははっきりとした“意識”へ変わる。

自分の弱さを否定せず、
それでも前を向かせてしまう存在。

こうして三井寿は、
知らぬ間にを「気になる相手」として、
心の中に刻み込んでしまったのだった。
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