第3章 バスケ部入部
放課後の体育館。
が扉を開けた瞬間、ちょうど花道が入部を断られている場面に出くわした。
赤「お前には出来ん!」
花「なんでだよー!」
赤木の一喝に花道は地団駄を踏み、悔しそうに唇を噛んでいる。
花「くっそー…」
そのとき、花道がこちらに気づき、不思議そうな顔でこちらにやってきた。
花「お?どうしたんだ?こんなところで」
「花道バスケ部入るの?」
花「入りたいんだがあのゴリが許可しねーんだい!」
「え!?なんで!」
花「俺には出来ねーだの根性がねーだの。あいつ俺に自分のポジションを取られるのが嫌なんだと見た」
眉間にシワを寄せ、いかにも悔しそうな顔で言い放つ花道。
その勢いに合わせるように、は力強く頷いた。
「有り得るね!花道にできないことなんてないもんね!」
花「その通り!さすが!よく分かってるなぁ!ナハハハハ!」
花道は機嫌を取り戻したように、の頭をぽんぽんと撫でながら豪快に笑う。
その温かさに、は思わず胸の奥がきゅっとする。
(今、入部届を見せるのは違う…)
そう思い、は背中に隠した紙をそっと握りしめたまま、花道の後を小走りで追った。
「なんでゴリ先輩は花道にそんなこと言ったの?」
花「カクカクシカジカ…」
花道の大雑把な説明にも、はすぐに状況を掴む。
「なるほどね…あ!じゃあさじゃあさ!」
花「お!なんだ!」
「根性見せればいいんでしょ?そしたら今日部活終わったら体育館の床と部室とボールをぜーんぶ磨くのはどう?ピッカピカに!」
花「はっ…!!名案だ!!しかしあの量を俺だけで…よし、あいつらも誘おう!」
花道の目が一気に輝く。
その反応に、も嬉しくなって笑みを浮かべた。
「私も手伝う!」
花「本当か!?いい奴だなお前はこのこの〜!」
花道はの首に手を回し、くしゃくしゃと優しく頭を撫でるように揺らした。
「へへ!まーね!」
花道の明るい笑い声が体育館に響き渡る。
その横で、は“隣で支える”という決意をそっと胸に刻んでいた。