第10章 退場王
翌日、花道が水戸と廊下を歩いていると高宮、大楠、野間の3人が退場デビューとバカにしてきた。
しかし花道はいつものように高宮達を相手にせず、1人廊下を歩き出した。
するとちょうど晴子に出くわした。
晴「桜木くん」
花「あ!はっ、晴子さん」
晴「昨日は大活躍だったそうじゃない、桜木くん」
花「は、はぁ…」
晴「お兄ちゃんも言ってたわ。"あいつはあいつなりに頑張った"って」
花「あいつなりに…うっ、いや、その…」
晴「気にすることないわよ、デビュー戦なんだもの。思い通りの動きができなくて当たり前よ」
花「いやでも…無得点じゃ…」
晴「大丈夫よ。今はまだ試合慣れしてないだけなんだから。これからよこれから」
花「そっ…そうすか?」
晴「そうよ!自信持って!頑張ればきっといい試合ができるようになるわよ!」
花「うっ…そうすか?」
晴「そうよ!前にも言ったけど桜木くんは私が連れてきたんだから!私の目に間違いないわ!」
花「晴子さん!」
晴「次の試合も頑張ってね!」
花「はっ、はいっ!任せといてください!晴子さん!この天才バスケットマン桜木花道。次の試合では絶対にスラムダンクを決めて見せます!晴子さんのためにーっ!」
晴「その意気よ!桜木くん!」
花「ハハハハッ!」
晴「あ、流川くん…」
花「ぬぅっ?」
花道は晴子が見てる方に視線を向けた。
花道は驚いた。
晴「それにちゃん…」
花「なっ…あれは…」
流川がの肩を抱くようにして廊下を歩いていたから。
は俯いているようだった。
ー数分前ー
流「すぅ…すぅ…」
「流川…流川」
流「ん…」
「次移動教室だよ。眠いなら移動してから寝なよ」
流「ん」
流川はスクッと立ち上がり教室を出ようとした。
「え、ちょ、手ぶらで行くつもり?」
流「…。見せてもらう」
「誰に?」
流川は無言でを指差した。
「はぁ…全く…見せてもらうなら持って」
は流川に自分の教科書を預けた。
流川は素直に受け取り、先を行くのあとを追った。