第6章 リョータ・三井復帰
「メガネ先輩!」
三「はぁ…はぁ…」
「もうやめて…もうやめて!」
は肩で息をする三井の腕を、今度ははっきりと掴んだ。
三「なっ…」
洋「おい、!」
「何があったのかは知らないけど…でも本当はバスケしたくてしたくてたまらないんでしょう!?みんなの気持ちがよく分かるんでしょう!?」
声が震え、涙が溢れる。
「それなのに……それなのにどうしてこんなことするんですか!?自分ができなかったから!?そんな理由でこんなことするなら遅かれ早かれ、いつかバスケから逃げる時が来てました!」
拳を握りしめ、必死に叫ぶ。
「だから、一生懸命頑張ってる人たちに八つ当たりしないで!!」
三「なんなんだお前は!前もそうやって…」
「あの時だって、バスケに興味ないって言いたくなかったくせに!!」
涙が頬を伝う。
「本当は興味津々のくせに!あなた本当はバスケが大好きなんでしょう!?」
三井の瞳が、揺れた。
「だから喧嘩も強くなれないのよ!喧嘩なんかに生きてきた人間じゃないから!!」
声がかすれる。
「バスケへの希望を……捨てきれてないから!!」
は泣きながら、必死に訴えた。
“好きなものを好きだと言えない”その苦しさが、痛いほど分かってしまったから。
三「くっ…」
悔しさか、苛立ちか、または後悔か。
よく分からない感情に、三井は唇を噛みしめた。