第9章 揺らぎ
牧「あっ…仙道」
をすぐに追いかけた人物、それは仙道だった。
信「や、やっぱり仙道…さんのことが…」
彩「桜木花道!何に八つ当たりしてんのよ!」
花道は彩子にハリセンで思い切り叩かれた。
はトイレに向かった。
仙「ちゃん」
仙道はの手を掴んだ。
は仙道の方を向いた。
「仙道さん…なんですか?」
は光がない目で微笑んで言った。
仙「そんな悲しい顔して笑うなよ」
「トイレ行くので手を…」
仙「放さないよ」
「…」
仙「君がそんな状態で、俺は放っとけない」
は俯いた。
仙「おいで」
ギュッ…
仙道はを抱きしめた。
「…」
仙「今日の試合観てたけど、湘北はみんなちゃんの声で自分のプレーを取り戻していたよ。あの流川さえも。だからちゃんとちゃんの声はみんなに届いているし、ちゃんの努力や想いも、伝わっているよ。俺から見た限りだけど。でも俺の目は確かだよ」
「うぅっ…ひっく…」
仙「ちゃん」
仙道は真剣な顔で言った。
仙「桜木のこと好きなままでもいいから、俺と付き合ってみない?」
「ひっく…ぐすっ…」
仙道は少しを離すと、肩に手を置いたまま、今度は顔を見て言った。
仙「君のことが好きなんだ。ちゃん」