第6章 リョータ・三井復帰
「がぶっ!」
口元押さえつけられていたは、迷いなく後ろの不良の手に噛みついた。
不良1「いでぇ!!このくそあま!!」
怒号とともに腕が強張るが、力はまだ緩まない。
すぐ横では、別の不良が拳を振りかざして迫ってきていた。
だが――
「ふんっ。おらー!」
掴まれた状態を逆に利用し、は身体を軽く跳ね上げる。
前から殴りかかってきた男の首へ両足を絡め、そのまま勢いよく引き寄せ――
ガンッ!
頭突きが炸裂し、不良は呻き声を上げて崩れ落ちた。
不良2「ぐぉっ…」
それでも背後の拘束は解けない。
次の瞬間、は掴んでいる不良の肩を軸に天井へ向かって跳躍し、
宙で一回転しながら――
ドンッ!!
両膝で背中に蹴りを叩き込んだ。
不良1「ああっ!!うぁ…」
ようやく拘束が外れる。
「ふん。あっかんべー」
ぺろっと舌を出す挑発に、晴子は息を呑んだ。
晴「ちゃん…」
その間にも、流川は何度も殴られ、咳き込みながらも睨みを崩さない。
「流川…」
弱った流川を見つめるの瞳に心配が宿る。