第7章 インターハイ予選までの1週間
ダンッ!!!
今度はダンクが決まった。
「決まった!!」
しかし先に仙道だけ着地してしまったので、はリングに宙ぶらりんになった。
「わぁ!高い!怖い!」
仙「ハハ、怖くないよ」
「怖いです!」
仙「おいで、いつでも受け止めてあげるから」
仙道は両手を広げた。
「本当??」
仙「っ…あぁ本当だ」
仙(なんだ今のは…)
は手をリングから放した。
すると宣言通り、仙道はしっかりとを受け止めた。
はぎゅっと瞑っていた目を恐る恐る開いた。
「ホッ…よかったぁ」
仙「な?怖くないだろ?」
「上にいたときは怖かったですよ」
は口を尖らせた。
仙「でもちゃんと受け止めたよ?」
「それはありがとうございますですけど…」
仙道はニコニコしてを見つめた。
「…も、もう降ろしてもらって大丈夫です…」
仙「あ、あぁ…すまない」
珍しく仙道はしどろもどろになり、をゆっくり降ろした。
「ダンクは成功しましたけど、これじゃ花道にコツは教えられないですね…」
仙「そうだなぁ。まぁ俺は桜木のために君にやらせたんじゃないからな」
「じゃあ何のために…」
仙「俺がちゃんにダンクする時の景色を、俺が見てる景色を見てもらいたかったから、かな。だから俺は桜木に教えさせるつもりは毛頭なかったよ」
(な、なんか…なんだこの人…それじゃまるで私が花道に教えるの嫌がってるみたい…自意識過剰になってしまうんだけど…)
「そうですか…じゃあ今日はもう遅くなっちゃいますし、この辺で…ありがとうございました」
は荷物をまとめて体育館を出ようとした。
仙「ちゃん」
「はい?」
仙「桜木に愛想尽かしたら、いつでも俺のとこ来なよ」
「え…」
仙「予選決勝で待ってるよ。それじゃ」
仙道は掃除をするためそのまま体育館倉庫へ去っていった。
はその日から仙道のことを考えてしまうことが多くなったのだった。