第7章 インターハイ予選までの1週間
仙「本当に待っててくれたのか、もう帰ったかと思っていたよ」
が体育館をキョロキョロしていると仙道がやって来た。
「後輩を使うなんてずるいですよ」
仙「そうすれば君は待っててくれると思ったから。案の定当たったね」
「はぁ…で、なんです?用は。私も早く帰らないと…」
仙「大好きな桜木花道が待ってる?」
「んん…」
は少し眉間に皺を寄せた。
仙「ん?」
仙(桜木の名前を出した瞬間そんな顔をするなんて何があったんだ?)
仙道は不思議に思った。
「…用事はなんですか?」
仙「君のお父さんは天羽ヒロシ?」
「!?…知ってるんですか?」
仙「あぁ」
「そうですよ。私、プレー見せたことありましたっけ?」
仙「いや?ない」
「ならどうして…」
仙「どうしてって、そんな多い苗字じゃないし、あとは…顔?」
「顔?」
仙「目が似ているよ」
「父に会ったことがあるんですか?」
仙「まさか」
「じゃあなんで父の顔を…」
仙「そりゃあ、何度も君のお父さんのプレーを見返したからね。俺のモチベーションってとこかな」
話を聞くと、仙道は流川同様、天羽ヒロシのプレーを見てバスケを始めたという。
また仙道はそれを超えることが目標だとも話した。
は驚いた。
流川や仙道、天才と称される人たちが、自分の父親に憧れを抱いていることに。
「…父って、そんなにすごい人だったんですか?仙道さんがすごいって思うくらいすごい人だったんですか?」
は真剣に聞いた。
仙「それって俺のことすごいってちゃんが思ってくれてるってことかい?」
仙道は少しふざけて聞いた。
「思ってますよ。前も言いましたけど、あなたのプレーは目を見張るものがある。実際今日の練習も、あなたのこと以外見えてなかった」
こんな言葉が返ってくると思っていなかった仙道は驚き言葉を失った。
仙「…」