第5章 陵南戦
流川の腕がそっとの肩を抱き寄せ、
彼女の頭を自分の胸元へ押し当てた。
温かい鼓動が耳元に響く。
「ぐすっ…なによ…」
流「バッシュか」
「ひっく…そうよ…」
静かな返事とともに、
流川の手がの持つプレゼントに伸びた。
流「俺の足でもサイズ合うかもな」
「は…?」
思わず涙のにじむ目を見開く。
流川は迷いもなくラッピングを剥がし、中のバッシュを取り出した。
「ちょっとなにして…」
彼はそのまま、片方の足をスッとバッシュに入れる。
流「ピッタリ」
満足そうに言いながら、へ視線を向ける。
その表情は少しだけ得意げで、
少しだけ優しくて——
は胸の重さがふっと軽くなるのを感じた。
「ふふっ…あんたのために買ったんじゃないんだけど?」
流「捨てるなら貰う」
「うん…あげる」
小さく笑ったその顔は、
泣いた赤みが少し残っていても、どこか安堵に満ちていた。