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僕だけを見つめて【スラムダンク】

第5章 陵南戦


高「おう??なんだなんだ?」

雄「は洋平に乗り換えか!?」

忠「ひゅーひゅー」

茶化す声が背後から飛んできて、はバッと水戸から離れた。
頬が一気に熱くなる。

「そ、そんなんじゃないし!私は花道一筋だし!!全く!青田先輩も!しつこいですよ!ふん!!」

青「お、俺…??」

なぜか巻き添えにされた青田は、ぽかんと目を丸くする。
だがは気まずさや照れ隠しを怒り顔でごまかしながら、プリプリと校内へ歩いていった。


ー放課後ー

「花み…あれ?花道は?」

すっかり落ち着きを取り戻したは、いつものように花道を迎えに教室を訪れた。
だがそこには、彼の姿がない。

洋「花道ならちょっと出かけたぞ」

「え!?部活あるのに!?」

洋「部活の時間までには戻るってさ」

「一緒に行きたかったなぁ」

ほんの少しだけ、声が沈む。
そんなに、タイミング悪くあの三人がやってきた。

雄「今頃花道はデート楽しんでるだろうよ」

「デ、デート!?誰と!?」

顔が一瞬で青ざめ、次の瞬間には真っ赤になる。

洋「はぁ…なんで言うんだよ…せっかく隠したのに…」

水戸は、誰にも聞こえない小さな声でぼやく。

忠「そりゃあ晴子ちゃんとさ」

「晴子ちゃん…んん…」

高「バッシュ見に行ったんだぜ」

「え…あ、そ、そうなんだ、分かった、じゃあ先行ってよーっと」

笑おうとして笑えなかった。
唇が震え、目の奥がわずかに滲む。

は、できるだけ明るく振る舞いながらくるりと背を向けて歩き出した。
ただ、水戸だけがその“ほんの一瞬の悲しさ”を見逃さなかった。
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