第5章 陵南戦
──翌日。
花道は朝から機嫌が最悪だった。
前をずんずん進むその背中には、誰が見ても近づきがたい殺気が漂っている。
は心配しつつも、あえて距離をとり、水戸の少し後ろを歩いていた。
すると向こうから、いつもの3人――高宮・大楠・野間が嬉々とした顔で花道に近づいてきた。
高「よぉ、花道、昨日は…」
言葉を言い終える前に、
ゴッ!!
花道の頭突きが3人へ容赦なく炸裂した。
3人「「「あぁ…おぉ…」
倒れ込む3人を一瞥することすらなく、花道はずかずか歩き続ける。
高「いてぇな!」
忠「まだ何も言ってねぇだろ!」
雄「慰めてやろうと思ってたのによ!」
必死に訴える三人に、花道は振り返り顔真似をして吐き捨てた。
花「いいや!今のはちゃかす顔だった。こーんな目をして」
あからさまにイライラした足取りで、前へ前へ。
すると水戸が優しく笑った。
洋「ハハハハッ、しょうがねぇなぁ」
はその様子に眉を寄せ、そっと声を落とす。
「大丈夫?」
忠「に洋平」
洋「あいつ、昨日は陵南に負けた悔しさで、ほとんど眠れなかったらしい」
は小さく息をついた。
「相当気が立ってるわよ。あれ」
雄「だからも珍しく隣歩いてねーのか」
「ああいうときはそっとしておくのが1番」
高「こりゃ当分、昨日の試合のことは禁句かなぁ」
5人で顔を見合わせる。その時――