第7章 インターハイ予選までの1週間
(プレーしか知らないけど花形さんはめちゃくちゃ感じ悪!それに対して藤真さんは中身まで王子…)
藤「湘北のマネージャー?」
「はい!え、あ、あ、あれ…」
藤「ハハハ、嘘がつけないんだね」
透「ほら言っただろ」
藤「素直でいいじゃないか」
(藤真さんの前だとどうも緊張しておかしくなってしまう…これは王子効果なのか??)
藤「思う存分見てったらいいよ」
「自信があるってことですか?」
藤「そうだね」
藤真は先ほどまでのにこやかな表情ではなく、真面目な顔をしていた。
いや、花形にはそれに嫌味が含まれていることがわかった。
「すごいですね。湘北もそれくらい言えるようになれたらなぁ」
しかしは素直に感心した。
藤「あぁ…」
透「んん…」
「たくさん勉強させてもらいます!あ、でもこれで湘北に負けても恨みっこなしですからね〜。今年のうちは一味違うんで!」
藤「フフッ、そうだな」
透「ふん」
こうしては翔陽の練習を見ることに成功した。
強豪である翔陽は湘北と違い、バスケ部のメンバーも多かった。
「藤真さんはこの数まとめてるのかぁ…そりゃすごいわな…」
するとひそひそと周りから声が聞こえた。
部員1「おいあのかわいい子誰だ?」
部員2「うちの制服じゃないぞ?」
部員3「さっき藤真さんと話してるとこ俺見た!彼女かな?羨ましい…」
藤「ほらほらお前ら、気ぃ散らすんじゃないぞ?」
部員たち「は、はい!」
「いやそりゃ浮くよね…湘北の制服着てたら…」
は藤真の方を見るとバチっと目が合った。
すると藤真は王子のようにハニカんで笑った。
は恥ずかしさにバッと目を逸らした。
(いやいや…え!?王子すぎるでしょ…何あの破壊力!!)
部員1「おい今の藤真さん見たかよ…」
部員2「あぁ…バスケにしか興味ない藤真さんが女の子に笑ったぞ…しかも練習中に…」
部員3「あの人も照れて真っ赤にして顔逸らしてたぞ…絶対彼女だろ…羨ましい…」
一部始終を見ていた部員たちが、その日からは藤真の彼女と勝手に位置付けてしまったのだった。