第7章 インターハイ予選までの1週間
三「いつも俺たちのこと、特に桜木のこと応援してんのに、今日は全然声出さなかったじゃねーか。それに昼間泣いてたろ」
「な、なぜそれを…」
三「ぶつかってきたの覚えてねーのか?」
「確かに誰かにぶつかった気が…あれ三井さんだったんですか!?」
三「そうだ」
「なんと……すみません…」
三「別に構わん」
「昼間泣いてたのはまた別なんですけど…花道に告白したんです」
は重い口を開いた。
三「な、なに!?」
「まぁもちろん、ダメでした」
は俯き、フッと笑った。
三「…」
「それはいいんです。分かってたから。フラれることなんて覚悟の上でしたし」
三「じゃあなんで…」
「告白する前は、今までの関係が崩れるのが怖かった。でも花道は今まで通りでいようって言ってくれたんです。私もそれを望んでた」
三「…」
「でも…でも…なぜかそれが苦しくて…苦しくてたまらないんです…自分もそう思ってたはずなのに…花道は期待通りの答えを言ってくれたのに…モヤモヤして苦しいんです…」
自分の気持ちを言葉にすると、涙が浮かんできた。
しかしそれを必死に堪えた。
三「…そりゃ苦しくもなるぜ。桜木にはそんなつもりはねーんだろうが、それって自分は他の子を好きでいるけど、お前には今まで通り"桜木を好きなお前"でいてくれってことだろ」
三井に言われ、ようやくはモヤモヤの正体に気づいた。
は歯を食い縛り、声を抑えたが、涙がついに溢れてしまった。
「うっ…くっ…」
三「…我慢すんなよ。今ここには俺とお前しかいない。…自分の気持ちに嘘をつくのは辛いだろ」
は三井の言葉についに泣き出した。
「ううっ…うー…ぐすっ…ひっく…」