第2章 新たな生活
ー翌日ー
花道たちがいつものように騒ぎながら廊下を歩いていると、前方から妙な気配が漂ってきた。
見ると、不良グループの先頭を歩く男がこちらを睨みつけてくる。
堀「なんだ?お前。一年のくせに髪なんか染めやがって。生意気だな。昼休み屋上に来い」
花「あぁ?んだと?」
堀「逃げんなよ」
周囲の生徒たちがざわつく。
声をかけてきたのは、“湘北で知らぬ者はいない”ほどの不良、三年・堀田徳雄だった。
その名を聞いた瞬間、洋平たちの空気がピリッと引き締まる。
こうして昼休み、花道たちは屋上へ向かうことになった。
***
「花道ー!お昼…あれ…またいない…今日は洋平達もいないな…どこ行っちゃったんだろ」
何も知らないは、いつものように7組へ足を運んだ。
しかしそこにいるはずの5人の姿はどこにもない。
肩を落としつつも、仕方なく教室へ戻り、お弁当を広げたちょうどそのとき――。
友達1「あれ、桜木くんじゃない?」
「え!?どこ!?」
慌てて立ち上がり、指さされた方向──窓の外を見ると、屋上のフェンスに大きな赤い頭がちらりと見えた。
友達2「本当だ。ほら、屋上」
「行ってくる!」
箸を置く音より早く、は駆け出していた。
友達1「危ないからやめといた方が…ってもういないし」
友達2「言ったって無駄よ。桜木くんのことになったら言うことなんて聞かないもの」
友だちの言葉を背に、の足音はすでに階段へ消えていた。